目次
4小節ループを事前にプログラムして一つずつ進む。
Mista氏はFully Automated(モーションシーケンスとパターンチェーン機能等を使い、全く触らずに音楽を進行する)で制作を行なっている。2023年あたりでは、Valueノブのみを使って録音していくスタイルを多用していた。
Focusrite Scarlettを通して、Reaperに録音。Air設定で高音をブースト
数年前は、iphoneに直接4極ミニプラグを使用して録音していた。これは、どこでも録音ができる手軽さの面と、意図的に高音質になりすぎない面で採用していたことが考えられる。Electribe2の前モデルであるEMX-1がアナログ的な太い音であったのに比較して、Electribe2はデジタル的で高品質なサウンドと評されることが多い。つまり、それまでのKorgのグルボのイメージに対して細さを感じる人が多かったようだ。
一方、Scarlett搭載のAirボタンを使用した録音である。この機能は、アナログ回路のみで構成された、Focusrite Studio Consoleに搭載されているクラシックなISA 110マイクプリアンプをエミュレートしたモードである。高音質に独特な煌びやかさが乗りつつ、音の太さは失わないモードとされている。
これは、iphoneを使用していた時期とは異なる方向性と思えるので、方向性の変更があったのだろうか。
パターンを展開させる方法
パターンを展開させるのに使う手法は、SYNQ-SINEで作ったメインラインを、SYNQ-SAWに変えることで行なっていた。単純にオシレーターを入れ替えるだけでなく、音量感の調整を行なっていると思われる。「異なるタイプの倍音を意識している」と言及している。
また、音色変化だけでなく、前パターンのSE的なパートの繋がりとなるように、ガムランパートをpadっぽい感じで追加。また、次のパターンへの繋ぎとして、4小節目にスネアのフィルを追加。常に前後のパターンとのつながりを意識していることが感じられる。
Summary(まとめ中!)
- イントロとして、軽めのドラムセットを選択し、スイングを加えて自然な感じを出す。
- 楽曲の進行に合わせて、サウンドのパレットを設定し、追加していく。
- 重要なポイントで、重いキックとスネア、サブを追加し、スピーカーを振動させる。
- リードサウンドを左右にパンして空間を作る。
- 各4小節ごとにトーンを変更し、楽曲に動きをつける。
- アシッドリフを追加し、オートメーションで動きを作り出す。
- シンプルなトラック作成で、詳細はレイヤーやバー間の微妙な変更にある。
- エフェクトとオートメーションを使って小さなフィルを作成。
- 活発で毛深いサウンド、生き生きとしていて、ポップ感があり、緊急サイレンを追加して全体的に激しさを増す。
- LFOスクエアを使用してサイレン音を変形し、音量のLFOでスライス効果を生み出し、時間経過と共に異なる速度で自動化。
- トラックに沿ってLFOの速度を調整し、グルーブ感を演出。
- アシッドラインを次の4小節にコピーし、ドラムを全て取り除き、サブベースと重ねてリードサウンドを排除。
- アシッドラインを左右にハードにコピーし、存在感を増大させ、エレクトライブのサウンドでフィルを作成。
- 自然なブレイクビートドラムを選択し、リバーブを加えてリアルなドラムフィールを再現。
- 高域パスフィルターを適用したSberパーカッションループやドラムンベースブレイクを使用し、自然なシャッフル感を追加。
- 次の4小節にアシッドラインをコピーし、ピッチを下げて変化を付ける。
- 各4小節ごとにスネアの音色やキックドラムを微妙に変更し、サウンドの進化を促す。
- ミックス設定では、キックドラムとサブベースの音量を調整し、低域EQを最大にして圧を増加。