Electribe2は、ヘッドフォン端子、LINE OUT端子に高周波ノイズが乗ることがだいぶ前から言われてきた。海外のユーザーがKorgに問合せたところ、機器内で様々な要素があり、仕様とされている。
これに対して、様々な使いかたを比べてみて気にならない方法を模索した。メモのために残しておく。
ヘッドフォンでモニタリングする
最初に私がelectribe2を手に入れたあと、ノイズが気になり始めた際、最も音質向上が実感できたものがこれ。日本語のフォーラムで誰かが回答していたが、インピーダンスの違いで、ノイズ耐性があるとかないとか。事実、各種イヤホンからaudio-technicaのモニターヘッドフォンに変えて使ったところ、おおむね全てのケースで高周波ノイズの低減が確認できた。
各トラックの音量を大きく扱い、S/N比を向上させる
その後しばらくノイズ問題は少し意識する程度でよかったのだが、あるタイミングから、各トラックの音量を絞り、繊細にダイナミクス処理したいと考えるようになった。これがちょうど、ノイズ問題との闘いになった。
まず試みたのが、各トラックの基本ボリュームを40~50前後にすることである。これは音楽家のYasushi.K氏が実践していたもので、彼は曲の作成前に、各トラックの音量を70前後にしていた。そうすることで、音楽内容が進行した後、さらに盛り上がりを作ることができる、というものだった。
この発想から、さらに各トラックの基本ボリュームを下げて、生の楽器のようなダイナミクスを実現したい、という意識から40あたりにしぼった。その影響で、マスターボリュームは12時(目盛りを真上)に設定することになった。すると、問題のノイズが気になるようになった。音楽的にも、アンビエントのようなものを発想していたため、これはかなり邪魔に感じるようになった。
このため、各トラックの音量とヘッドホン端子のノイズ量、音楽的選択肢のバランスを考えて、まずは各トラックボリュームを100前後、マスターボリュームを9時(目盛りを真左)で試みている。
外部機器を通す
今度はLINE OUT端子からレコーダーのZOOM H6にaudio technicaのフォン端子×2→ステレオミニ端子変換ケーブルで挿したところ、よりノイズ低減が見られた。この接続では、マスターボリューム12時が最もノイズが少なかったため、それに合わせてレコーダーゲイン、レコーダーボリュームを調整し、トラックの音量は70まで下げて使用するやりかたで問題なかった。
その他のやり方
海外のフォーラムでは本当にオタクの方が様々な対策を実践してノイズ対策を図っていた。DAWで録音後にノイズ除去、半田フラックス残渣除去(!)など…。ちなみに私の環境では、接続するケーブルによるノイズ減も見られた。数値的に観測してはいないので感覚でしかないが…。
やはりこの問題が、E2の致命的な弱点だと言及しているユーザーもいた。私としては、百回まわってヘッドフォンを直刺しで各トラック音量を下げすぎずにシンプルに使うと、ほとんど問題なく感じた。やはり1世代前の機材なのでこのあたりは仕方ないように思う。ポータブルな良さが損なわれない程度の対策を考えたい。