Mista’s Electribe 2 Tutorial: Part Two解説

パッド系オシレーターは何を使うか

Mista氏の制作曲では、イントロとしてパッドと空間系マスターエフェクトを使った展開をすることが多くみられる。構成を解説していた。

キーはC、スケールはLydian。コードタイプは5。コードタイプに関しては、1から5までの段階でスプレッドの配置となり、どのくらい広がるかはScaleによるとされている(electribeパラメーター・ガイド参照)。今度和音の積まれ方の相関関係も調べてみたい。オシレーターはBig String。LFOはBPM SYNQ SQUARE。

マスターエフェクトはWet reverb。ほとんどこれしか使っていないとのことで、ショートカットも忘れていたらしい(コメントで指摘されていた)。本当にWet Reverbしか使わないらしい。

これらのサウンドは過去にMista氏がElectribe2で行なっていた制作で多用されていた。

パターンアイデアをうまく展開させるには?

イントロが出たところで、次のパターンへの発展させ方を解説。音の帯域から発想するアイデアを提案していた。最初のパターンアイデアをそのまま利用して、サブベース、ベース、ミッドレンジ、トップに何かアイデアを足す、もしくは、最初のパターンアイデアを別の帯域に移すなどを利用する。西洋音楽の伝統的な手法に近いとも言える。

本動画では、イントロの後に、90年代のrave的な雰囲気のピアノのテクスチャーから始まる。テンポが2倍になり、ガラッと雰囲気が変わりつつ、前のパターンのモチーフは残されているので展開に聞こえる。

なお、展開したこのパターンも、様々なバリエーションを行った後、「パターンが力尽きた」と思うタイミングで、全く別リフを展開。mfxも切り、ダブリングベースライン(左右にパンした同じパート)を演奏。

ドラムパートの人間っぽさを出す

ドラムパートを、機械っぽさを減らしリアルにするために、様々な努力に言及していた。まずは、スネアをダブリングする。リードスネアとサイドスネアという考え方で、同じタイミングで同時に鳴らすことでより複雑な音構成になる。また、Electribe2をたくさん触っている人間にとっては、あまり聞いたことのない音の出力が可能となる。それに加え、ゴーストノートも別パートで構成している。

同様に、リードキック、サブキックの考え方も適用している。リードキックは小節頭、ロー成分を出して。サブキックはそこまでではないサウンドで、その他の位置に配置。平たく言えばバスドラムのアクセントの生成が可能となる。現状はべロシティをStep Editするか、Levelをモーションシーケンスするしか方法がないElectribe2において、手軽に実践できる手段だ。

かつてHipHop界でJ Dillaがトラックメイクする際、サンプラーを使ってリアルタイムレコーディングで打ち込んでいたという。現代のDAWではヒューマナイズがあり、自動で各音のタイミングを微妙にずらしてくれる。これらが同様の効果で、無機質に聞こえやすいシーケンサーをうまく活用している。